外資系とはどんな企業のこと?今さらすぎて聞けない人のための外資系企業の基礎知識
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目次
「外資系」という言葉を耳にしたことのある方は多いと思いますが、その意味を明確に答えられる方は意外に少ないのではないでしょうか。
「基本的すぎる単語だから、今さら聞けない…」という方のために、外資系とは一体何なのか、外資系企業とはどんな組織なのか、日系企業との違いは?などの基本情報をご紹介していきます。
外資系企業への転職を検討している方は、この記事を参考に、自分に合っているかどうか確認してみてください。
今さらだけど外資って何…?
「外資」とは、日本以外つまり海外・外国の投資家などが投資した資本という意味です。
「外資系」というと、外国人が経営をしている企業、海外からやってきた会社というイメージがありますが、「外資」自体の意味をまずは知っておきましょう。
実態はみなさんがイメージをしていたところとあまり変わらなかったということがわかります。しかし、外資系企業というとそれがどのように変わっていくのでしょうか。
外資系企業とは?
外資系企業について知っておきたいポイントをまとめると以下の通りです。
- 外資系とは、「外国の法人」あるいは、「外国人の投資家が一定以上出資している日系企業」のこと
- 日系の企業とは企業文化などが異なることが多い
以下のような3パターンがあります。
- 外国の企業が日本で完全子会社を設立するパターン
- 日系企業と海外企業が共同出資で設立したパターン
- 日系企業の株式を外国の企業が取得したパターン
現在の解釈でいうと「海外の株主(投資家)などの言動が影響しやすい企業」が外資系という認識をされていることが多いです。
外資系企業の定義は外国の法人、あるいは外国人が一定程度以上の出資をする日本の企業と定まっています。
しかし、一定以上の明確な定めがないため、◯%以下なら外資系企業ではないとはいえない状態になっているのです。
では、外資系企業の具体的な例を3つご紹介します。
外資系企業の3つのタイプ
外資系企業は3つのタイプに分かれており、それぞれ成り立ちが違います。
1.外国の企業が日本で会社を設立した場合
一般的にこのパターンが一番「外資系企業」と呼ばれているのではないでしょうか。
社名が外国語であることから確実に外資系企業とわかるケースが多く、しかも海外に進出するほど資本が安定しているわけですから、日本に進出する前に知られていることもほとんどです。
- 代表的な外資系企業の例
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検索アルゴリズムや広告などで一気に有名になったグーグル、コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、メーカー系では一般的にP&Gと呼ばれるプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンなどです。
その他、ファッションではLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン、化粧品ではロレアルなどもこの中に含まれます。
特に人気の2社を確認しておきましょう。
マッキンゼー・アンド・カンパニー
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、1926年にシカゴ大学の経営学教授ジェームズ・O・マッキンゼーが数人の仲間とともに立ち上げた会社です。経営コンサルティング業務を行っていて、最新の経営学に裏打ちされたグローバルな戦略が評価されています。創業から100年が経つ今では、世界60カ国、105の支社に9,000人以上のコンサルタントを擁し、年間1,600以上のコンサルティング・プロジェクトを手掛けるグローバル企業に成長しています。
P&G
「ファブリーズ」「ボールド」「パンパース」などの人気製品で有名な消費財メーカーの会社です。本社は、アメリカ合衆国オハイオ州にあり、一般消費財メーカーとしては世界最大です。平均年収が高い企業としても著名で、30代で1,000万円超えの年収の例もあり、さらに外資系の割には福利厚生も充実している点が評価されています。
2.外国の企業が日本の企業と共同出資で会社を設立した場合
外国の企業が日本の企業と共同出資で会社を設立する場合も一定数存在します。
その場合出資率が日本企業に比べて外国企業が多い場合外資系と呼ばれることが多いです。出資の程度については定めがないため、このあたりは曖昧になっています。
- 代表的な外資系企業の例
- シーメンス・ジャパン、日本マクドナルド、味の素ゼネラルフーズなどが著名です。
特に人気の2社を確認しておきましょう。
日本マクドナルド
いわずと知れたファーストフードを展開する企業です。ファーストフードの雄として君臨し続けるために革新を起こし続けています。最近では、コロナ禍を背景にしたスマホ注文やカウンターメニューの廃止などを行い話題となりました。質の高い従業員の獲得にも力を入れており、学生への採用活動では満足度ランキング2位を獲得するなど、新卒にも人気の企業です。
味の素ゼネラルフーズ
味の素ゼネラルフーズは、飲食料品の製造及び販売を手がける食品メーカーです。日本人の味覚にあった製品を多く開発し、安定した業績を維持しています。ダイバーシティ推進タスクフォースを設置して、性別・年齢などに関係なく、社員全員がきちんと活躍できる環境を整備しています。
3.外国の企業が日本の企業を買収した場合
3つ目は外国の企業が日本の企業を買収した場合です。経営しているのは外国の企業でそこに買収されるわけですから、買収された瞬間に外資系企業となるパターンです。
最近日本の製造業が海外に買収されるケースが多くなってきているため、イメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
- 代表的な外資系企業の例
- 鴻海精密工業に買収されたシャープ、蘇寧雲商に買収されたラオックスなどがあります。
特に人気の2社を確認しておきましょう。
シャープ
世界最高の液晶技術を持つとされていた『シャープ株式会社』ですが、2016年に電子機器の受託製造サービス世界最大手である台湾の鴻海に売却されています。買収後、業績はV字回復していて、現在は元・東芝のPC部門の『dynabook株式会社』事業を中心に行っています。
ラオックス
大手総合免税店兼家電量販店です。2009年に中国の大手家電量販店を運営する蘇寧電器の傘下となりました。その後、業績は安定していて、全社員に中・英・日の3カ国語を習得させる教育制度などが話題となっています。
業界別!代表的な外資系企業とは?
上記でご紹介したパターンを問わず、その他にも代表的な外資系企業で挙げていくと、下記のように多くの人気企業が出てくるのです。名前を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
消費財メーカー系
消費財メーカーとは、生活雑貨や食品といった消費されるものを製造する企業のことを指します。日常生活と切り離せない産業といえ、2020年のコロナ禍においては「買い溜め」などにより、業績が急上昇した企業が多かった点で話題になりました。
考えることができる社員を評価する企業が多く、リーダータイプの人が求められる業界です。
代表的な企業としては、P&G Japan(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン)の他、日本ロレアル、ユニリーバ・ジャパン、フィリップ・モリス・ジャパン、スリーエムジャパン、ネスレ日本、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループなど。
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消費財メーカーの中でも特に人気の3社を確認しておきましょう。
日本ロレアル
世界最大の化粧品企業です。フランス発の世界最大の化粧品会社として、34ブランドを150カ国で展開しています。「女性が強い」という点で人気を集めています。「右脳」と「左脳」のバランスが取れた人材を求めていて、面接でも「あなたの感性を売り出すエピソード」と「それを裏付ける論理的なデータ」を話すように求められるなど、ユニークな企業のようです。
P&G
消費財メーカーの王とも呼ばれている世界最大の消費財メーカーです。世界180カ国へ展開しています。「マーケティング重視」の社風と「キャリアの超早期から海外経験をさせる」という点が人気を集めています。日本法人である、P&G Japanに入社した場合でも、入社後すぐにシンガポール勤務となり、国際的な人材に成長することができます。
ユニリーバ・ジャパン
ヨーロッパ系消費財メーカーの雄です。世界190カ国でブランドを展開していて、日本ではDove(ダヴ)やLUX(ラックス)などのヘアケアブランドが有名です。心に響くパッケージデザインや世界初の度肝を抜くキャンペーンなどを展開している点が人気の理由となっています。他者の意見を笑顔で聞いて、協調性を発揮しながら自分の意見を通すことが求められる会社なので、気持ちよく働ける点でも人気を集めています。
製薬会社
製薬会社とは、医薬品を創薬したり開発したりして、生産および市場販売する会社のことを指します。
外資系製薬会社は、業務内容が明確なことが多く、個人の専門性やその人ならではのスキルが要求される特徴があります。代表的な製薬会社としては、ファイザー、MSD、中外製薬、ノバルティスファーマ、グラクソ・スミスクライン、サノフィ・アベンティスなど。
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コンサルティング会社
コンサルティング会社とは、何らかの問題を抱えている企業から依頼を受けて、問題解決方法や戦略を提供する会社のことです。最近では、IT分野の導入やアドバイスを行うIT系のコンサルティング会社が注目されています。
コンサルティング会社は、顧客の相談を把握し、聞き出す能力などがある人を求めています。代表的な企業としては、先に挙げた、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ以外にもベイン・アンド・カンパニー、アクセンチュア、ローランド・ベルガー、アーサー・D・リトル・ジャパン、プライスウォーターハウスクーパースなど。
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金融系
金融系とは、その名の通りお金を扱う企業です。投資銀行、証券会社、生命保険会社、損害保険会社、クレジットカード会社などが該当します。
外資系のなかでも、高報酬が望める業界として知られています。金融は変化の激しい業界でもあるので、時代においていかれないように情報収集し、スキルアップできる人であることが求められます。
ゴールドマン・サックス、UBSグループ、クレディ・スイス、バークレイズ、J.P.モルガン、メリルリンチ、モルガン・スタンレー証券など。
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IT系
IT系とは、主にソフトウエア開発や法人のシステム開発をする会社です。他の外資系の業界と比べて歴史が浅く、変化の激しい業界です。働いている人の年齢が若いので、四十歳くらいまでの人が求められる傾向にあるようです。代表的な企業としては、先に挙げたグーグル以外にも、日本オラクル、日本マイクロソフト、アマゾンジャパン、ブルームバーグ、日本IBM、ヤフージャパン、LINEなどがあります。
海外の優れた技術や研究開発力が日本市場に流れ込んできたことがうかがえます。
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外資系で働くメリット・デメリット
外資系の特徴をつかめたところで、具体的なメリットやデメリットを確認しておきましょう。
外資系で働くメリット
外資系で働くメリットとしては、給与の高さや異文化を学べる点にあります。
外資系勤務のメリット1 実力主義で給与が高い
外資系企業の大半は、「個人」を重視するため、個人の実力に見合った給与を受け取ることができます。
成果に応じた報酬が得られるので、努力次第では20代で年収が数千万になるということもザラにあるのです。これは、年功序列で和を重んじる日系企業ではありえないことでしょう。
外資系勤務のメリット2 スピード感があり残業が少ない
外資系は徹底した合理主義を採用しています。そのため無駄な残業や会議はしません。
自身のやるべき仕事を時間内に終わらせることができれば、定時で帰宅が可能です。付き合いで残業をする必要もなく、プライベートな時間をしっかりととることができます。
さらに、経営陣の意思決定が、合理的かつ早いので、事業やプロジェクトの展開や拡大もスピーディーに行われます。無駄な会議を重ねて、せっかくの事業のチャンスを逃すこともないので、苛立ちを感じずに働くことができます。
外資系勤務のメリット3 語学力が向上し、異文化理解が深まる
外資系では、多くの外国人が働いているため、社内外で多言語を求められるケースが多く、自然と語学力が向上します。ゆくゆくは、日本を飛び出して、世界で活躍したい人には魅力的な環境でしょう。
さらに、共に働く仲間が外国人のことが比較的多くなるため、日本とは異なる文化に触れることもできます。ハロウィンやクリスマスパーティーなどの相手の国の文化を知ることもできるでしょう。より国際的な人物になれるチャンスがあるのもメリットです。
外資系勤務のメリット4 有休消化率が100%で休みやすい
外資系企業の有給消化率はほぼ100%です。外資系企業は、有給は労働者の当然の権利と考えています。ですから、有給をすべて消化しないと、「不思議な人」「仕事ができない人」と見られる文化があるのです。
さらに、外資系企業では、プライベートを大切にするという文化が根付いてもいます。ですから、ある程度の結果を出していれば自由に休みを取って良いとされています。
もちろん他の人との休みの調節は必要ですが、仕事の進行に問題がなければ、100%有休が消化できます。
外資系企業で働くデメリット
華やかな雰囲気のある外資系ですが、成果主義だからこそ、給与が低くなることもあります。デメリットも確認しておきましょう。
外資系勤務のデメリット1 競争が激しく不安定な面がある
外資系は実力主義・合理主義を特徴としています。ですので、常に結果を出せる人には働きやすいのですが、なかなか結果が出せないタイプの人は働きにくさを感じるかもしれません。
いくら過程において努力をしていても、それがきちんと結果につながっていなければ能力が低いと評価されて、給与はあがりません。さらに、リストラの可能性もあります。
常に周囲と競い合って、契約を打ち切られる恐怖と戦いながら働かなくてはならないのです。
外資系勤務のデメリット2 福利厚生がほとんどない
外資系企業では、労働の成果はすべて給与に還元されるようになっています。
労働成果のすべてが給与として支払われているので、日系企業のように福利厚生はありません。退職金制度がない企業が多く、住宅手当や寮制度、各種家族手当などの福利厚生が存在していないのです。
高収入を得られたとしても、住宅手当がない分、家賃などにお金がかかってしまって、自分の手にはお金があまり残らないということも多々あるのです。
外資系勤務のデメリット3 社風や人間関係がドライ
外資系の社員は、合理主義な考えの人が多いです。回りくどい表現を苦手とする社員も多く、コミュニケーションがダイレクトすぎる面もあるようです。歯に衣着せない上司の発言に苦しむ社員も少なくありません。
「情」で仕事をすることもないので、与えられた仕事は最後まで自分が責任を持つべきという考えの人が多く、業務がいくら大変でも、手が空いている人に助けてはもらえない面もあります。
メリット・デメリットからもわかるように、外資系企業は日本人には合わないケースもあるようです。転職活動を進める際は転職エージェントに相談したりしながら、自分にとって外資系勤務はメリットが多いものになるのかをしっかりと⾒極めましょう。
外資系企業に勤務経験のある著名人
実力主義で成果主義である外資系企業でキャリアを磨き、さらなる飛躍につなげた先輩をご存知でしょうか。
誰もが知るあの人も、実は外資系企業での就業経験を通じて現在のポジションを画一しているのです。早速ご紹介しましょう。
大前研一氏
日本を代表する経営コンサルタントであり起業家でもある大前研一氏も、外資系企業出身者です。
1972年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、後にディレクター、日本支社長、そしてアジア太平洋地区会長を務めました。
コンサルティング・ファームへの転職を検討している方で大前氏を知らない人はおそらくいないのではないかと思うほど、著名な人物ですよね。
小林りん氏
2009年にインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢設立準備財団(ISAK)を設立したことで著名な小林りん氏は、1998年にモルガン・スタンレーに新卒として入社しキャリアをスタートしています。
外資系企業は女性を多く雇用していることから外資系企業OGは多いものですが、その中でも経歴、実力ともにとくに秀でた女性であることは言うまでもありません。
ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(UWC ISAK Japan):Home – UWC ISAK Japan/JP
岩瀬大輔氏
ゼロから新しい生命保険会社を設立するという斬新なビジネスをスタートさせたことで知られる岩瀬大輔氏も外資系企業出身です。
大学卒業後はコンサルティング企業最大手であるボストン・コンサルティング・グループに入社し、ハーバード・ビジネス・スクールへの留学を経て起業しています。
年齢が若いうちから既成概念を壊し、「○○は○○だから無理!」を決めつけずに方法を考えて実行することで可能性を追求するという姿勢は外資系企業出身者ならではのパワーなのかもしれないと感じさせる人物です。
松本大氏
マネックス証券などを抱えるマネックスグループで代表取締役社長CEOを務め、またテレビ東京アナウンサー大江麻理子氏の配偶者としても有名な松本大氏も外資系企業での就業を経て現在のポジションに就いています。
松本氏は、大学卒業後ソロモン・ブラザース・アジア証券に入社し、ゴールドマン・サックスへの転職を実現し、また史上最年少で同社のゼネラル・マネージャーとなった経験を持っています。
勝間和代氏
当時史上最年少記録を打ち出して19歳で公認会計士試験2次試験に合格したことでも知られる勝間和代氏も外資系企業OGです。具体的にはアーサー・アンダーセンでの会計士補・会計士、そしてシステム・コンサルタントを務めました。
その後、現在のJPモルガン・チェースであるケミカル銀行での金利トレーダー、そしてリサーチャーとしての勤務、マッキンゼーでの経営コンサルタント経験、そしてJPモルガン証券での証券アナリストとしての経験を経て独立開業しています。
慶應義塾大学在学中に公認会計士試験に合格していることのみならず、自分自身の考え方やユニークな生活スタイル、人生観を発信していることでもよく知られる勝間和代氏は、日本人らしからぬキャラクターで各メディアから注目されたことでも有名ですね。
外資系企業と日系企業の違いを理解しておこう
具体的な社名を聞くと、どれも著名な企業であり、また給与が高いことでも有名なので魅力的な転職先と捉える方も多いでしょう。
しかし、日系企業との違いをよく理解しておかないと、入社してから苦労することになります。そこで、最低限押さえておきたいポイントを共有します。
新人という概念がなく、全員が即戦力
日本では新卒・中途に関わらず、比較的丁寧に研修を行う場合が多いです。しかし、外資系企業では(日本が経営主体の場合は異なりますが)新人という概念はなく、入ったその日から即戦力になってくれないと困るという考え方を持っています。
一方で年齢が若くても、実績がなくても成果が上げられれば評価が高くなり、昇進・昇給という流れにスムーズにたどり着けるというメリットもあります。頑張った分しっかり評価してくれるので、若くして高収入を得ることも可能です。
成果を上げられなければ給与が大幅減、契約打ち切りの可能性も
先に述べたように外資系企業は成果主義ですから、成果を上げられなければ給与が大幅にカットされたり、契約が打ち切りになることも十分考えられます。
高い給与を払ってでも優秀で危機感を持ちながら仕事をしてくれる、成果主義意識のある人材を採用することに力を注いでいるのです。
残業=仕事ができないレッテル
日本では残業を苦とせず働く人を「頑張っている」と捉えられる人もまだまだ多いですが、外資系企業では残業している人=仕事ができないとみなされます。
日本でも最近では残業せずに成果を上げることを重要視している企業もありますが、まだ浸透しきっているとはいえません。
残業せずに仕事を終わらせるにはどうすべきかと真剣に考えることで、抜本的な仕事方法の見直しや生産性のアップが望めるという考え方が一般的な外資系企業ならではの価値観でしょう。
しっかり主張する文化
クライアントや上司が何を期待しているのか、それについて自分はどう思っているなどを、しっかり伝えることが重要です。
年齢や社歴を問わず自分の意見を伝えることで、あなたがどういう人間でどんな考え方を持っているのかがわかります。
遠慮して何もいわないと、何を考えているのかわからないと思われ、意欲がないとみなされる危険性もあります。好まれるコミュニケーションを把握して動けるように意識しておきましょう。
日系企業と外資系企業の違いをご紹介しましたが、ここでは注意しておきたいポイントのみをピックアップしているため、デメリットが多く伝わっているかもしれません。
しかし、頑張り次第で高収入を得られること、ワーク・ライフ・バランスがとりやすいこと、遠慮せずに自分の意見を伝えられること、仕事の生産性を高められる環境であることなどのメリットもあります。
外資系企業に限らず、企業はそれぞれがそれぞれの考えや企業価値観を持っており、それが自分に合うかどうか、その考えを柔軟に受け入れて楽しむことができるかで楽しく働けるかどうかが決まります。
その特徴を理解した上で、自分が望む働き方はどの企業なら叶えられそうかという視点で見てみるとよいでしょう。
なお、どんな人が外資系企業で活躍できるのかについてはこちらの記事で特集しています。
外資系と自分の相性をしっかりと確認しておいてくださいね。
外資系企業の転職の難易度
外資系企業の転職難易度は、かなり高いとされています。それは、語学力と高いスキルが求められる企業だからです。
外資系の企業では、さまざまな国籍の人が働いています。日本のオフィスに就職しても、日本人しか働いていないということは稀ですし、仮に日本人が多い職場だったとしても外国にあるオフィスと連携して業務を進める必要がでてきます。
外資系では英語といった語学スキルが不可欠。しかし、日本人の多くは語学力が低い傾向にありますし、受験英語とビジネス英語は大きく異なるので、一から勉強しなおす必要がでてきます。
さらに、外資系は成果主義です。社員を育てるという考えを持っている企業は少なく、すぐにでも即戦力として活躍できる人を求めます。
外資系に就職するには、語学の勉強や自身のスキル磨きをしないといけないので、就職難易度は高くなるのです。
外資系企業志望者が読んでおくと良い著書(順次更新)
この記事をここまで読んでみて、ご自身は外資系企業の企業文化や雰囲気にマッチしそうだと感じましたか?
外資系企業こそ、自分が輝ける場所だ!と確信できた方は、その思いをさらに確固たるものにしていくためのステップを踏みましょう。
この章では、外資系企業への転職を検討している方が読むとためになる著書を3つご紹介します。「本なんて読んでも転職活動の足しになんてならないでしょ…」と思われる方こそ、騙されたと思って読んでみてくださいね!
外資系で働くということ (平凡社新書)
外資系企業への転職を考えるようになったら、まず手にとって見ていただきたい著書です。
外資系企業にこれまで就業した経験のない方のイメージしている外資系企業の働き方、そしてその実態などを細かく描写してあります。
日本も今後年功序列・終身雇用という文化は終焉を迎えますが、その中で外資系企業的な働き方を自ら導入して先をいきたいという方にもおすすめです。
職業観・人生観・会社観といった観点で自分自身を見つめ直すことにもつながる一冊と言えるでしょう。
参考:外資系で働くということ (平凡社新書) | 林 謙二 |本 | 通販 | Amazon
外資系の流儀 (新潮新書)
外資系企業への転職を検討する以上、目指すは「転職に成功」ではなく「キャリアに成功」ですよね。
ひたすら胡麻をする日系企業のあり方を否定しながらも、実は外資系企業も人間関係が肝となる場面がたくさんあります。
外資系企業ならば、コミュニケーションスタイルは当然欧米風なカジュアル?風通しの良いオフィスの環境なのでしょう?といった誤解からキャリアで転落する前に知っておきたい、
外資系企業で勤める人間、そしてそこで成功することのできるの人間が大切にしている、そして大切にすべきである流儀を紹介しています。
外資系企業で絶対に成功したい!という強い意思をお持ちの方にこそオススメの一冊です。
参考:外資系の流儀 (新潮新書) | 佐藤 智恵 |本 | 通販 | Amazon
P&Gウェイ: 世界最大の消費財メーカーP&Gのブランディングの軌跡
世界最大の消費財メーカーであるP&Gのブランド構成力の築き方を書いた一冊です。P&Gの社員やCEOへのインタビュー、さらには社内資料などが掲載されています。
外資系の雰囲気はもちろん、ブランド構成として必要とされるスキルなどがまとめられているので、消費財系の外資系で働きたい人は読んでおきたい一冊といえそうです。
参考: P&Gウェイ: 世界最大の消費財メーカーP&Gのブランディングの軌跡|本 | 通販 | Amazon
外資系1年目のための英語の教科書
外資系で働くために必要不可欠な英語の使い方をまとめた一冊です。ビジネスに適した表現や英語のマナー、相手に好感を与えるフレーズなどが解説されています。
すでに外資系に就職が決まっている方を対象に書かれていますが、英語力が不安で外資系転職に踏み出せない人にも最適の教科書です。本書では「挨拶」「依頼」「メール」「電話」「会議」「プレゼン」「謝罪」「感謝」などの表現が網羅されているので、どこへ行っても通用するビジネス英語を身につけることができます。
参考:外資系1年目のための英語の教科書|本 | 通販 | Amazon
やっぱり外資系! がいい人の必勝転職AtoZ
外資系で人事部長も勤めたことのあるキャリアカウンセラーの著者が外資系について解説した一冊です。外資系に転職したいと思いつつも、「英語が不安」「成果が出せないとすぐに辞めさせられそう」といったイメージによって尻込みをしている人の背中を押してくれるような内容の本です。
自分に合った職場の選び方や転職対策などが詳しく解説されています。これから外資系転職を頑張りたい人が読むべき本といえるでしょう。
参考:やっぱり外資系! がいい人の必勝転職AtoZ |本 | 通販 | Amazon
おわりに:外資系企業と日系企業との違いや定義を身につけておこう
「外資系企業」という言葉の説明からその定義、代表的な外資系企業や日系企業との違いなど、転職前に知っておきたいさまざまなことをご紹介しました。
これらの知識を身につけておけば、外資系ならではの文化を理解し多様性を受け入れながら、自身も変わっていくことができるはずです。
またキャリアにおいて大切なのは、今どうかだけでなく環境によっては自分がどのように変化・成長していけるかを見極めながら進んでいくことです。
それら考えを身につければ今はデメリットに思えるようなポイントも、きっと働きやすいと感じるポイントに変わっていくはずです。ぜひ参考にしてみてください。
同時に、転職をよりスピーディーに、かつ納得の行く結果にするためにも、心強い転職エージェントの存在が不可欠となります。
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次は絶対希望の外資系企業に転職したい!とお考えの方は外資系企業への転職支援に重きをおいていて、かつ実績のある転職エージェントへの登録から始めてみてくださいね!
監修者コメント
外資系企業に転職したいと思っている時点で、自分の実力を試してみたいと思っている方がほとんどだと推測します。自分の実力をどう発揮できるかを理解しておくことが大切だと思います。ただ、リーダーシップ・ソリューション力・情報リテラシー・創造性など短絡的にスキルを羅列するのではなく、ご本人の業務経験から、どの場面でどの様にその会社の成果につなげていけるのかを転職エージェントのコンサルタントの方と一緒に確認でき、自己の実現可能なスキルが絞れれば、入職への道は近づくと思います。外資系企業に特化したエージェントで、より具体的に実例や条件を挙げて説明してもらえると実感がわくのではないでしょうか。
この記事の監修者
キャリアコンサルタント
碇ともみ
東京出身。大学卒業後、日本航空株式会社に客室乗務員として入社。
23年4ヶ月の在職中には、国内線・国際線・外資系航空会社共同運送便乗務経験・新人教育グループ・フライトインストラクターを歴任。
退社後、『T’s Tips Company』を設立し、本格的にキャリアコンサルタントとして、就職支援やキャリア形成支援を行う。また大学院にて経営学を学び、人的資源管理にも興味を持つようになる。
現在は複数の大学で非常勤講師に就き、キャリア教育や経営学にも研究の場を広げている。さらに関係構築力やホスピタリティなど多彩な分野での講演や、論文・書籍の執筆活動にも注力している。著書には、スマート勉強法、受かる就活女子レッスン、幸せつかむ女子力UP術などがある。
―保有資格
経営管理修士・MBA、2級キャリアコンサルティング技能士、国家資格キャリアコンサルタント登録、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)、ジョブカード作成アドバイザー、メンタル心理カウンセラー、メンタルヘルス・マネジメントⅡ種(ラインケアコース)、メンタルヘルス・マネジメントⅢ種(セルフケアコース)、サービス接遇検定1級、ビジネス実務マナ-検定1級、秘書技能検定1級、日本キャリアデザイン能力検定1級、唎酒師、コーヒー&ティーアドバイザー、食生活アドバイザー2級
碇ともみオフィシャルホームページ: https://ikaritomomi.com/